日蔭者のマーチ
いざ進めや進め 我等は斜陽の探求者
脚光浴びる舞台など 望まぬ日蔭者
社会の歯車と 呼ばれることの誉れよ
その歯車無しに 世界は回らぬさ
フレー フレー 負け組よ
窓際暮らしも堂に入り
持て囃されるのは
若い者ばかり 嗚呼
ひとつの栄光は 数多の挫折の上に
未来の英雄を 生み出す礎となれ
フレー フレー 立ち上がれ
涙に暮れた夜もあるさ
不屈のサムライには
程遠くとも 嗚呼
信じる道をゆけ 見向きもされぬが道理
二枚目ばかりでは 芝居は出来ぬもの
いざ進めや進め 弱音を吐き尽くしたら
明日も日は昇る
今日と変わらぬ日を過ごせるならば 幸せ
【歌詞について】
iPS細胞、探査機はやぶさの帰還、ダイオウイカの撮影など輝かしい科学ニュースが飛び交う中、ふと「そうした称賛の的にならない研究者、失敗の烙印を押されたプロジェクトはどれほどの数だろう」と思いを馳せました。
山中伸弥教授は「科学の進歩は膨大な先人達の研究から成っている、自分もそうした連綿と続く一人として埋もれていくつもりだった」と仰いました。
こと科学研究に於いては「失敗」も「成果」なのです、「その方法では成せなかった」という重要な手掛かりであり、世紀の大発見はそれがあってこそ生まれるのです。例え傍目には地味に見えようと立派な意味があるのです。
科学に限らず、要らない人生なんて無いのです。スターやリーダーになれない人こそが、世界を支えているのです。そんなささやかなエールを込めて。
舞台の幕を上げるのは、立役者ではなく、裏方なのですから。
© 2007 よこ