夢に遊ぶ子供
揺れる陽射し 木漏れ日の道は
忘れ去られた言葉が舞い踊る
赤子のように手を伸ばして
追いかける
私は夢に遊ぶ子供
立ち止まり 耳を澄ませば
幼き声が唄い始める
それは 遠く遠く 戻らぬ日々の夢の雫
あの頃に見ていた夢は
まだ色褪せぬ光を放ち
暗く昏く澱む足元を 淡くそっと照らす
時の流れに背を向けたままで
この世を生きられる筈もない
けれど 追憶の森へ迷い込めば
二度と戻れなくなりそうで
茜色に燃え盛る空
置き去りのまま 叶わぬ願い事
声を限りに呼びとめても
逃げてゆく
あの子は夢に遊ぶ私
さよなら 甘い記憶
さよなら 遠き日の思い
さよなら
© 2007 よこ